各写真をクリックすると、大きい写真が見られます。
(写真に直接リンクしていますのでブラウザ機能で戻ってきてね)
     
|
１枚目：長野県下伊那郡大鹿村にクモマツマキチョウの撮影に行った(早くて何もいませんでした)帰りに、鹿塩の集落の枝垂れ桜からオオミスジの終齢(５齢)幼虫を２頭見つけ、持ちかえって飼育することにしました。 これは幼虫の側面から撮影した交差法の３Ｄ写真です。腹部後部の斜めの黒帯の上に白い米粒のようなものがついていますが、これは寄生バエの卵です。 頭部にネコの耳のような突起が1対、そのすぐ後に乳白色の目立たない小さな突起が1対、その後にやや大きな突起が上向きに1対、その後に最も大きな突起が上向きに1対、体中央に後ろ向きに湾曲した牛の角のような突起が1対、尾部に前向きに水牛の角のような突起が1対、そのすぐ後にやはり闘牛の角のような突起が1対。全部で７対の突起があります。カッコいいですね。 (2010年5月28日) ２枚目：同じ幼虫を背面から撮影した３Ｄ写真です。 このあと寄生バエの卵をそぎ落とそうとしましたが、幼虫の体にどのようにくっ付いているのか不思議なくらい固くくっついており、無理に剥がすと幼虫の皮が破れそうになるくらいでした。結局剥がすまで２０分くらいかかりましたが、剥がしたハエの卵はペシャンコで、剥がしたあとの幼虫の体表にも何の変化もありませんでしたが、既に幼虫の体にハエの幼虫が入り込んでいるのでしょう。 (2010年5月28日) ３枚目：同じ幼虫を腹面から撮影した３Ｄ写真です。 前から見ると、小さな茶色の頭、中くらいの緑の頭、大きな緑の頭が重なっているようです。 (2010年5月28日) ４枚目：別の寄生されていない幼虫を背面から撮影した３Ｄ写真です。 (2010年5月29日) ５枚目：同じく寄生されていない幼虫を側面から撮影した３Ｄ写真です。 この写真をよくみると分かりますが、エサの枝垂れ桜の葉の付け根には1対の細長い髭のようなものがあります。屋外ではこれらが茶色く枯れた状態で曲がったままくっ付いているものが多く、幼虫の茶色の曲がった突起はこれらに擬態したようにできていると思われます。実際に屋外で桜を見ると、幼虫は桜の生葉、枯れ葉、などに非常によく似た色をしており、枯れ葉が生葉に絡まっているところなど、よく幼虫と見間違えることがあります。 (2010年5月29日) ６枚目：同じ時期に飼育していたホシミスジの終齢幼虫と並べて撮影してみました。 左側の全体が枯れ葉のような幼虫がホシミスジの幼虫で、オオミスジの幼虫がかなり大きいことが分かります。 (2010年5月30日) |
 
|
１枚目：最初の一頭が前蛹になりました。屋外で蛹は採集したことがあるのですが、幼虫は勿論前蛹を見るのも初めてなので、幼虫からの色の変わり具合には驚きました。ホシミスジやフタスジチョウは前蛹になってもほとんど枯れ葉色から変わりませんが、オオミスジの幼虫はいきなり大きく変色し、濃緑色の部分は黒みを帯びた暗い色になり、淡緑色の部分は青白くなりました。 屋外の枝垂れ桜にこのような配色の部分は覚えがないので、これでは返って目立ってしまうような気がするんですが。 (2010年6月2日) ２枚目：同じ前蛹を反対側から撮影したものです。 左側の全体が枯れ葉のような幼虫がホシミスジの幼虫で、オオミスジの幼虫がかなり大きいことが分かります。 (2010年6月2日) |
    
|
翌日には蛹化しました。背面から撮影したものです。 (2010年6月3日) 側面から撮影したものです。 自然状態では前蛹になる前に自分の周囲の葉の葉柄をかじり、葉を萎れさせてその中で蛹化し萎れた葉に擬態します。 (2010年6月3日) 腹面から撮影したものです。 翅部分が大きく横に張り出したミスジチョウの仲間共通の形をした蛹です。 (2010年6月3日) もう1頭の蛹が飼育容器で蛹化してしまったので、尾端の糸ごと剥がして大きさを計ってみました。 体長は約２１mmでしょうか。 こちらの蛹が幼虫時代にハエの卵がついていたもので、結局数日後に腹部の節の間からハエのウジが出てきて死んでしまいました。 (2010年6月3日) 蛹化から10日後の未明には成虫の翅の模様が出てきました。 (2010年6月13日 01:29) |
 
|
１枚目：朝には羽化しました。 終齢で採集してきたので結構立派な大きさの♂です。運良く日曜日の朝に羽化してくれたので羽化後の状態を撮影できました。もう少し前に起きていれば羽化してくるところを連続撮影できたのですが。 (2010年6月13日 09:37) ２枚目：オオミスジの越冬幼虫を見つけるのは至難の業なので、できれば成虫に産卵させて卵から飼育したいものです。 (2010年6月13日) |
 |
標本写真です。 リンク先写真は上が♂の表面、下が♂の裏面で、どちらも採集品です。 |
 このページに直接おこしになった方は、ぜひトップページから他のページにもアクセスして下さい。 |